Gemini 4 Argonとは? 長大で複雑な開発作業を進める新モデル

長い開発作業を折りたたみ式の連続用紙と木製の棚、革の資料綴りで表した写真調の概念CG。「Gemini 4 Argon 長大な開発作業を進めるAI」の見出し。実際のシステム資料や性能測定の画像ではありません。

どうもTORAです。

2026年9月30日に、GoogleがGemini 4 Argonを発表しました。Googleの新しいAIモデルで、複雑で長い工程の仕事でも深い推論を続けられるように作った、と説明しています。主な用途に挙げているのは、実際のソフトウェア開発、法務や金融のような企業の知識業務、サイバーセキュリティの防御です。今のところ提供先はかなり限られているので、今回は公式発表をもとにした紹介です。[1]

目次

最初に浮かんだのはCOBOLのこと

Argonの説明を聞いて、日本にあるCOBOLで作られたレガシーシステムを、他の言語に置き換えるのに使えるんだろうな、と思いました。そこから、古いJavaを新しいJavaにバージョンアップする作業はどうなんだろう、とも考えました。

ただ、それって他のサービスにもすでにある機能ですよね。実際、COBOLからJavaへの変換はIBMのwatsonx Code Assistant for Zが、Javaのバージョン更新はAmazon Q Developerが扱っています。[3][4]

コード変換やJavaの更新ができる、というところだけ見ても、Argonの何が新しいのかはちょっと分かりにくい。じゃあArgonならではの特徴って、長い作業ができることなのかな、と。

長くて難しい作業を続けられる

公式発表でも、Googleが前面に出しているのはやっぱりそこでした。Argonは、複雑な問題を考え続けながら、何段階もある長い作業を進める能力を強めたモデルです。[1][2]

個別の機能が増えたというより、取り組める仕事の難しさや規模が上がった、という打ち出し方です。つまり、今までは難しかった長大な作業も、Argonなら進められますよ、と。僕はそう受け取りました。

そのための変更として分かりやすいのが、出力トークンの上限です。これまでの64Kトークンから1M(100万)トークンに広げました。Googleは、一つの流れの中で深く考え、数十万トークンを生成できる余裕があれば、難しい問題を一度で解くための推論に深さが出る、と説明しています。[1]

C/C++からRustへの大規模な移行

Google社内では、C/C++のコードをRustへ移す作業に使われています。re2やlibgav1のような数万行規模のライブラリから、FuchsiaのZirconカーネルの80万行超まで、Argonのエージェントが移行に取り組んでいます。重要なシステムが多いので、こうした大規模な書き換えは、本番に出す前に自動・手動の監査やエミュレーションテスト、レビューにかけられています。[1]

中身が具体的に書かれているのはlibgav1で、Googleがオープンソースで公開している動画デコーダーです。Argonのエージェントは既存のRust版をもとに、複数のデータをまとめて処理するSIMDのコード3万2000行を置き換えました。プロファイルを見ながらの実験を何度も回し、コンパイラの出力を調べて、コンパイラが自動でベクトル化できる安全なRustを書いていく、という進め方です。映像の出力は同じまま、既存のRust版より2.7倍速いメモリ安全なデコーダーになり、最適化されたC++版に近づいたとしています。[1]

評価と、使えるようになる順番

評価では、実際のソフトウェア開発に近い長い工程のタスクを測るDeepSWE v1.1で77.9%を出し、Googleはこれを最高水準としています。中核的な業務で作業を最初から最後まで実行できるかを測るZapierのAutomationBenchでも、51.3%で1位としています。ただ公式の比較表を見ると、FrontierSWE v2やTerminal-bench 4.0のように、他社モデルのほうが高い項目もあります。[1][2]

提供は段階的です。今はFairwind Programを通じて、信頼できるサイバー防御の担い手向けに提供が始まったところです。そのあと開発者、企業、一般の利用者へ広げる予定で、最初は有料のAPI利用者とGoogle AI Ultraの加入者からだそうです。9月30日の発表には、一般提供の開始日は書かれていません。[1]

APIの導入価格は、100万トークンあたり入力2ドル、出力10ドルと発表されています。導入価格の案内では、キャッシュされた入力は入力価格から95%引きです。導入期間が終わると、入力4ドル、出力20ドルに変わります。[1]

参考資料

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この記事を書いた人

40代、IT業界20年弱。システム開発の仕事をしています。AIや開発、仕事やキャリアの話を中心に、ギター、音楽、革靴、デニム、腕時計など趣味のことも書きます。

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